(ぶたの独り言)

2003年 2月〜 7月

[2003.07.29] 真実の物語 ACT4 (完結編)


そろそろ夏休みモードに入った我が家の中で、恐怖と闘いながら、
ひとり涼をとっている男の恐怖の物語!
いよいよ完結編をお届けいたします。

ACT4
 静まりかえった妻と男の間に、ゆっくりと流れ込む得体の知れない恐怖。
 いや違う!
 この恐怖を感じているのは、どうやら男の方だけのようだった。
 やがて、意を決した男は、その重い口を開いた

 男:あ、あのな。
   あの RED DWARF の全放映作品のDVDが出るねんで。
   これを見いひんかったら(編集部注:「見なかったら」)SF好きの僕の気持ちが
   許さへんやろ。なっ!
 妻:ふ〜ん

   やっと返事が返ってきたが、「ふ〜ん」の一言であった。
        頑張れ > 私


 男:なっ! お前も見いたいやろ...

   またしても、続く沈黙の時間。
   いったい私はどこに迷い込んでしまったのだろう。


 男:300万年の時を超え、宇宙をさまよう孤独な宇宙船の物語
   あのDVDが欲しいねんけどなぁ...

   実は、我が家の家族は娘も息子も大のSF好きなのである。
   子供たちの方から、おやじ頑張れ!という無言の応援を
   私に送っているのが分かるのだ。
              ↓
   よっしゃぁ。まかしとき!(元気が出た私)


 男:なあ、買おか!(明るく言ってみた。)
 妻:あのな、さっき上巻のセットとかなんとか言うてへんかった?
   全部揃えたらナンボになるん!
   
   うおっ!(なんという迫力だ!)
   だけど、この程度の脅しに屈していたら、我が家で、SF好き・三文映画好きが
   続けられないことになる。
   そう思った私は、勇気を奮い立たせて冷静に奥さんの言葉を分析することにした。
   ん?ちょっと待てよ。今確かに「全部揃えたら」って言ったのではないか。 
   そうだ。恐怖映画を見ているような状態の私だったが、あれは聞き違いではない。
   これは、可能性が出てきたんではないか。
   そう思った私は、話を進めることにした。


 男:んっ?せやから\25,000ぐらいやと思うでって言うてるやんか。
   (つとめて冷静に言葉を選んで話しかけてみた。)
 妻:ほんま!?(問い詰めるように)
 男:い、いや...(冷静に冷静に、と自分に言い聞かす私)
   上巻セットが\25,000で、下巻セットもあるなぁ...
 妻:(またしても無言)
       ↑
    ここで、折れる訳には行かないが、どうしても迫力に押されてしまいます。


 男:なぁ! 買うで!(言ってしまったぁぁぁ...)

   子供たちの笑顔が、私の頭の中に浮かんでいる。


 妻:それ、誰が出すん?(冷静である!)
 男:えっ! 家計から出し...

   だ、ダメだ!
   買うことに反対は無いようだが、支払いの確認攻撃にさらされてしまった!
   ここで、妙に反論をすると、事態がよけいにマズくなると判断した私は続けた。


 男:いやっ。俺が出すやんか。
   なっ!せやから買おう。(おおっ!なんという勇気のあるセリフだろう) ← (T_T)
 妻:ほんならええけど、どうやって出すん?

   な、なんだ。この変な購入許可の言葉は?


 妻:今、お金ナンボ持ってるん?

   そ、そういうことか。
   私の小遣いは、結婚してから昇給していないのであった。 ← これは悲しい事実です


 男:なあ。ものは相談やねんけど...

   この後の、奥さんとの交渉はなかなかに凄まじい駆け引きの応酬なのですが、
   これからも穏便に暮らして行きたい私は、ここに詳細を掲載することは出来ない
   と、判断しましたので、しばらくは、擬音のみでお届けいたします。

    ペコリ
    ・・・
    ペコリ
    ・・・
    ペコリ
    ペコリ

 妻:ほんなら、ええわ!(満足そうである)
 男:よっしゃ!俺もそれで手ぇ打つわ!(なんか、微妙な精神状態)

という訳で、我が家には無事に(?)宇宙船レッド・ドワーフ号のDVDボックス上下巻セットが届いたのでした。
めでたし、めでたし。


(終わり)

ようやく手に入った宇宙船レッド・ドワーフ号は、SFコメディの最高傑作だと思います。
もしも、宇宙船レッド・ドワーフ号を知らない方がいましたら、ネットで検索してみて下さい。

この物語は、ところどころフィクションでしたが、概ね真実でお届けしました。

 

[2003.05.25] 真実の物語 ACT3

ACT3
 妻:え!何て言うたん?
 男:なんのこと?
    (まずい!と、必死に平静を装って答えた男 <私です)
 妻:ええか? もう一回聞くで!
   上巻のセットって、どういうこと?
   ほんで、それは、何やの!

  その時、静かな時間の流れの中で、
  これ以上の抵抗は、さらに事態を悪化させることを感じた男は、
  これ以上の無駄な抵抗をあきらめたのか、その重い口を開いたのである。

 男:あのな、実はな、ネットニュースで見たんやけど...
    (心なしか、声が小さくなる男)
 妻:黙って聞いている
   (黙って聞かれるほうが、恐ろしさは増すのである!)

 男:もうすぐ、ごっついええもんが発売されるねん。
 妻:せやから、その売り出されるもんっちゅうのは、何やのん?って聞いてるねん。
 男:今から、言うとこやんか。
    (大量の汗をかきながら、言葉をつなごうと必死に頑張る男の姿は、
     なかなかに、泣ける姿ではある。のだが...)

 男:あのな、もうすぐDVDが出るねん!
    (とうとう言ってしまった。)
 妻:ふ〜ん なんの?
   まあ、念のため聞いたるわ!

    (きっと大丈夫や!何故かそう確信した私は、話を続けた。)

 男:こないだまで、NHKでやってた宇宙船レッド・ドワーフ号のDVDやねん!
   な!お前も見たいやろ!?
 妻:(黙って聞いている)

   (男は、続けた。
    まるで、ここで話すことをやめるのを、恐れるかのように...)

 男:4枚組みに映像特典ディスクが付いて、25,000円ぐらいやと思う。
   な!安いやろ。
 妻:黙って聞いている
       
   だから、黙ってると恐ろしさが増すのに!

    (この時、男は自らが置かれている立場を、
     あらためて確認してみたのである。)

 



(つづく)

次回、「真実の物語」怒とうの完結編!請うご期待!
この物語は、ところどころフィクションです。

 

[2003.05.12] 真実の物語 ACT2


しまった!
またやってしまった。
何をって? それは、更新せずに話しの続きを放っておいたこと...
            < そんなん、今に始まった話やないやんか!

という訳で、ひとりの男の真実の物語の続きをお届けします。

ACT2
 奥さんの質問に答えるでもなく、男が語り始めた「あるモノが発売される」とは、いったい何を意味するのか!

 これまでも男は、彼の息子と結託し、我が家の実権を、その手に取り戻そうと(編集部訂正:「1回ぐらいは手に入れようと」)モビルスーツ部隊やら、ラウンドバーニアン部隊など、大量のプラモデルをネットで購入し、攻撃を試みたことがあった。(過去の”くまの独り言”参照)

 性懲りもなく、またしてもしょうもないモノを買おうとしていた男の行動の不自然さに気づいた、彼の奥さんはこう言った。

 妻:何か知らんけど、それはナンボするん?
 男:だいたい\25,000ぐらいかなぁ?...

  ここで、少し間があって奥さんは質問を続けた。

 妻:だいたいって、どういうこと?
   それは、何?
 男:いや、せやから、だいたいって言うてるやんか。
   上巻のセットが、その値段やねん

      「し、しまった。」(汗)

 心の中で、恐怖に負けて不要な一言を口走った自分に対して、怒りとも、諦めともつかぬ思いを抱いた男に、
 彼の妻から重ねて質問が飛んだ!

 

 (つづく)

次回、男の運命やいかに!
この物語は、ところどころフィクションです。

 

[2003.03.05] 真実の物語 ACT1


それは、去年の秋の出来事です。
秋といえば皆さんは何を思い浮かべますか。
この物語は、ひとりの男の真実の物語なのです。

ACT1
 西暦2002年 秋
 その日も、いつもどおりの朝を迎えた男は、
 いつもと同じように起き出し、
 いつものように玄関を開け、
 新聞を取ってテレビの前に座りました。
 そう、男の朝はそこから始まるのです。

 テレビは時報を映しながら、キャスターが昨日起こったニュースを繰り返し流しています。
 見るとはなく見ていた男の興味は、いつの間にか、テレビを離れ、
 昨日見たインターネットの情報へと移っていました。
 実は男はまだ、昨日の重大なネット上のニュースを家族に伝えていなかったのです
 男は、このニュースを伝えるべきか悩んでいました。
 何故なら、その話をするということは、同時に行動に移ることを意味していたからでした。

 行動するには、決断が必要だったのです。

 そのために、男の考えは、まとまらずにいました。
 その時でした。
 男の微妙な心理を読み取ることに長けた彼の妻には、分かっていたようでした。

 「どうしたん?」

 と問いかける妻の声にはっとして我に返った男の顔には、
 はっきりと見て取れる緊張感があふれていました。
 どれぐらい時間が過ぎたのでしょうか。
 それはほんの数秒のことだったかも知れません。
 気を取り直した男は、やがて、妻の言葉に促されるように、ゆっくりと話し出したのです。

 「なあ、もうじきあるモノが発売されるんやけど・・・」

 おかしい。男の言葉はどうも歯切れが悪い
 その時、いつもと同じ朝を迎えたはずの男の心には、恐怖感が満ち始めていました。

 

(つづく)

この物語は、ところどころフィクションです。
ん?男の真実の物語(3行目に書いてる)とちゃうん?

 

[2003.02.28] 痛かった!


今年になって、医者に行きました。
そこでは、こんな感じでした。

ちゅい〜ん
チュイ〜ン
ちゅい〜ん ちゅい〜ん
チュイ〜ン!
ぎゅい〜ん ちゅい〜ん
チュイ〜ン

  「あがっ あぐっ!」(私の声です)

ちゅい〜ん
チュイ〜ン
ちゅい〜ん ちゅい〜ん
 チュイ〜ン!
ぎゅい〜ん
   ちゅい〜ん
んん

医者:はい、うがいしてぇ
    また、来週来て下さい

さあ、何医者でしょう?
くそ〜痛かった!

 

[2003.02.12] そいつは、突然やって来た!


はいはい。
 ご無沙汰しております。
 ←いったい、誰に言うてんねん!?(あはは〜)

これまでにない、長い期間となってしまいました、未更新の間には、例によりまして様々な出来事が私の身を襲ってきていたのですが、
まあそのことは、次の機会にお伝えさせて頂く事にしまして、今日は今回の未更新期間に増えてしまった家族についてご報告いたします。

あれは、去年の10月の初旬のある日のことです。
そうです、まったく何の前触れも無く、そいつは、突然やって来た! のです。

もともと、我が家は次のような家族構成をしていました。

  ・私
  ・奥さん (この前、車内でお怒りになられた方です)
  ・娘   <こいつが、今回の犯人
  ・息子 (いつもノー天気なゆに〜くな人物)
  ・ネコ様 (縞々のキジ猫で、我が家のボス)
  ・いぬ君 (白い巨大なヤツ)
  ・ZUKU (連邦軍の白いヤツ




では、新しい家族がやってくるまでを、昔話風にお伝えします。

BGM♪ (坊や〜 よい子だネンネしな 今も昔も変わりなくぅ〜 ・・・)

 それは10月のある日のことじゃった。
 なんでも、本を読む館からの帰り道を急いでいた一人の娘がおったそうな。
 娘は足漕ぎ二輪車に乗りながら家路を急いでいたそうな。
 
 ふと、娘の耳に泣き声が聞こえてきました
 娘は、いったい誰が泣いているのかと、足漕ぎ二輪車を降りて、辺りを見回しました。
 すると、草むらの方から泣き声が聞こえてきたのじゃ。
 娘が草むらの方に入ってゆくと、根元が光り輝く草がありました
 娘は、その草を切ってみました。
 すると、中からその恐るべき生物が現れました。


 娘は、その生物の発する弱々しい泣き声に操られるように、そいつを両手に抱えて歩き出したのです。
 足漕ぎ二輪車を、その場に置いたままにして、娘は家路を急ぎました。
 その生物は、両手で優しく抱かないと、今にも死んでしまいそうなくらい弱りきっておったそうな。


 家に帰り着いた娘は言いました。
  「なあ、おっ母! この子なんとかならんやろか」

 おっ母は、その子を見るなり、こう思ったそうな。
  「かわいそうに、こんなに痩せて!」
  「もしかしたらダメかも知れんねえ」


 そこで、おっ母は、その子を医者へ連れて行くために、おっ父に電気飛脚を使って連絡を取り
 急いで医者へと向かいました。

 医者までの道中、娘は両の手にしっかりと、そいつを抱きしめておりました。
 今にも消え入りそうな声で鳴くその子を乗せた内燃機関付き自走四輪車は
 道を急ぎ、なんとか医者にたどり着いたそうな。


<診察室での会話>
 医者:「これは、ちょっと弱ってるなぁ
 私達:「ええっ!大丈夫でしょうか?」
 医者:「うん。どこも怪我もしてないし、ちゃんと餌たべれたら大丈夫ですよ」
      といいながら、赤ちゃん専用の缶入り餌を指にすくって与えてみると、
      元気にモリモリ食べました
 医者:「これなら、大丈夫!」
      そう言われて、私たちは手元に抱き寄せて聞きました。
 私達:「この子、洗ったら白いんですよね?」
 医者:「うん。そうやと思いますよ」


 そこで、先生にお礼を言って、診察室を後にしました。


 それから、家に戻って家族総出で、世話をして餌を食べさせてから、
 おっ父が風呂に連れて行きました。
   (いつも、家族たちを風呂に入れるのはおっ父の仕事です。)
 ところが、いくら洗っても、この子の色は一向に白くなりません。

 ゴシゴシ ゴシゴシ ずっと洗い続けました。
 ところが、白くなるどころか、はっきりとしたねずみ色が出てきました。


 ですが、そんな事は構わない一家は、新しい家族を迎えて
 幸せに暮らしたそうです。

BGM♪ ちゃちゃんちゃちゃんちゃん ちゃちゃんちゃん
    
 (クマの子見ていたかくれんぼ お尻を出した子一等賞
            夕焼け小焼けでまた明日 ま〜たあしたぁ〜 ・・・)



はい、そこで本邦初公開!

我が家に来た頃の、
そいつ
です。